家を買うなら、「駅から徒歩何分」まで許容できる?

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家を買うなら、「駅から徒歩何分」まで許容できる?
現在、国は多くの施策を打ち出し、安心して取引できる既存住宅流通市場の実現を目指しています。しかし、せっかく制度が整備されても、売却価格が購入時の価格を大きく下回る場合などは、売却後に住宅ローンの残債が残ってしまい、売るに売れない状態となります。住宅の資産価値が目減りする状況では、既存住宅流通市場の活性化も、ままなりません。
 そこで今回の調査は、リニュアル仲介株式会社が実施した不動産を購入する際に、どの程度の人が売却時の資産性に配慮しながら購入を検討しているのかについてのアンケート調査結果をお伝えします。

駅から10分以上を許容できる人は2人に1人!

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 駅からの距離は、住宅の資産価値に最も影響を及ぼすポイントです。一般的に、駅に近ければ近いほどリセールバリュー(売る時の価格)も維持されやすい傾向があります。徒歩10分以内と回答した人は54%で、10分以上を許容できると回答した人が46%という結果でした。最近は、駅からの距離が7分以内の物件を勧めるケースも増えていますが、7分以下と回答した人は22%でした。
また、駅から16分以上、もしくはバス便でも構わないと回答した人が22.6%となり、約4分の1の人が、16分以上の距離を許容していることが分かります。
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世代別にみると、20代は「10分まで」と回答した人が66.7%に上り、若い世代は利便性を求めていることが分かります。対して、30代は、16分以上やバス便を許容できる割合が29.3%と、ほぼ3割を占めました。この年代は子育て世代ということもあり、駅からの距離よりも子育て環境を優先するからなのでしょうか、駅からの距離に寛容であることが分かります。また、60代以上では、5分までと回答する人が15.8%と、他の世代よりも突出しており、健康面なども考慮して、利便性を求める層が一定割合存在することが分かります。

自宅購入の際は3人に2人がライフスタイル優先

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ライフスタイル優先の人が、リセールバリュー優先の人を大きく上回り、全体の3分の2の人がライフスタイル優先と回答しました。
住宅の購入理由は、結婚・出産・子供が大きくなったからなど、比較的ポジティブな要因で購入を検討される方が多いものです。もしかしたら、家の購入を検討している段階で売却のことなど夢にも思わないのが一般的かもしれません。

リセールバリュー優先派は距離重視

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 ライフスタイル優先派とリセールバリュー優先派で分けて、駅からの許容徒歩時間を見ると、徒歩10分まで許容すると回答した人が、ライフスタイル優先派が45%に対して、リセールバリュー優先派は57%と、10ポイント以上多くなりました。リセールバリュー優先派が、駅からの距離を重視していることが分かります。
 またバス便を許容する人の割合に関しては、リセールバリュー優先派はライフスタイル優先派の半分以下と大きな差が見て取れます。

まとめ

「家は一生に一回の買い物」と言われたバブル前までは不動産の価格は一貫して上昇していたので、住宅購入時にリセールバリューに関してはあまり考える必要がなかったかもしれません。しかし、現在では売却価格が購入価格を大きく下回ることも多く、リセールバリューをしっかりと考慮に入れて住宅を購入することが大切になってきています。
 離婚や死別、ローンが払えなくなった、高齢者施設への入居など、住宅を売却しなくてはならないような事態は誰にでも起こりうることです。
住宅購入時には、購入と売却それぞれ頭半分で考えると良いかもしれませんね。
【調査概要】
調査内容:住宅に関する調査
調査主体:リニュアル仲介株式会社
調査方法:インターネットによる調査
調査対象:物件提案ロボ利用者
サンプル:621ss
調査期間:2019年6月7日~6月11日