「紙伝票の電子化」による経済効果は年間〇億円!?紙伝票の電子化による経済効果を試算!

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「紙伝票の電子化」による経済効果は年間〇億円!?紙伝票の電子化による経済効果を試算!
今年9月に菅義偉首相は「デジタル庁」の創設を表明しました。今後は、デジタル化が進展し、日本の行政および経済の合理化、費用削減が進み、日本の社会と経済のさらなる発展が期待されています。

昨今、深刻な労働力不足に見舞われている物流業界。その現場では依然として数多くの「非効率」が存在しています。特に、長距離輸送を伴う運輸業者や、毎日多くの紙伝票を扱う物流センターで業務にあたる方々の就労環境には、その「非効率」が顕著に残っています。

そこで、今回はこうした状況の中で、物流における「紙伝票の電子化」を行うことによる経済効果を試算してみました!(株式会社TSUNAGUTE調べ)

物流業界の紙伝票の電子化による経済効果は『約 3,533億6,368万円』と試算!!

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物流業界の中の道路輸送業界の運送業と倉庫業の「紙伝票」がすべて電子化された時、伝票の電子化による業界全体の経済効果は年間約3,533億6,368万円という結果になりました!
(業界全体の紙伝票作成の費用約191億3043万円、人件費約3342億3325万円)

うち、道路輸送業界の運送業の「紙伝票」がすべて電子化された時、1事業所の経済効果は年間約432万円、道路輸送業界の運送業界全体では年間約3,229億2,186万円。

倉庫業の「紙伝票」がすべて電子化された時、1事業所の経済効果は年間約432万円、倉庫業界全体では年間約304億4,182万円。

<試算方法>
関西大学名誉教授宮本勝浩氏の監修の元、調査及び経済効果の算出を行いました。試算にあたり、道路輸送業界の運送業と倉庫業の対象企業全体の事業所数を足し上げ、調査から得た、事業所で1日に扱う伝票の数(中央値100枚)と1枚の紙伝票処理にかかる時間(中央値5分)をそれぞれかけ合わせることで、各事業所で紙伝票を電子化することによる伝票用紙自体のコスト削減や紙の伝票処理の削減によってもたらされる人件費の削減効果を導き出し算出しました。

工場・物流センター・配送センターで業務をしている人は、1人あたり毎日約40枚を処理しており、約2時間も紙の伝票作業に時間を費やしている!?

本調査で、1日の伝票処理枚数を質問したところ、1人あたり約40枚を扱っており、伝票処理時間は、約2時間であるとの結果に。

物流センターは土曜日も含め稼働することが多いため月26日勤務とすると、1人あたり毎月50時間以上も非効率な紙の伝票処理作業に時間を費やしているといえます。

煩雑だと感じる業務1位は「ファイリング・保管」!約6割が人手不足を感じると回答

「あなたが業務をするなかで、煩雑だと感じることは何ですか。」と質問したところ、煩雑だと思う業務として、最も多かったのは「ファイリング・保管」(42.3%)でした。

次いで、「配車組みを元にした伝票仕分け作業」(30.0%)、「伝票の印刷(荷主ごとの用紙の差し替え作業を含む)」(28.8%)という結果になりました。

さらに「業務をするなかで人手不足を感じますか。」という質問では、6割以上が人手不足を感じていることが分かりました。
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コロナ禍以降、約半数の人が、人の手を介する紙伝票に接触することに抵抗を感じている!

「新型コロナウイルス感染拡大以降、人の手を介する伝票に接触することに抵抗を感じたことがありますか」と聞いた質問では、約半数の51.1%が感じたことが「ある」(よくある15.8%、たまにある35.3%)と回答しました。

7割以上が「伝票を電子化できると思う」と回答!時代の変化に期待する声があった一方で、企業間の連携の難しさを示す声も。

「あなたは、紙伝票を電子化できると思いますか。」と質問したところ、「とてもそう思う」が27.3%、「ややそう思う」が46.0%の合わせて73.3%でした。

伝票を電子化「できる」と思う人からは、時代の流れを踏まえて紙伝票の電子化も期待する声があった一方、「できない」と思う人からは、得意先の理解が得られない、各業者に対応を強制出来ないなど、他社と連携する必要がある業界ならではの難しさ・課題が見られました。

<伝票電子化についての意見>
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まとめ

いかがでしたでしょうか。

物流業界では紙伝票の電子化によって大きな経済効果を得られることが分かりましたが、業界ならではの課題によって電子化が妨げられている現状も垣間見える結果となりました。

コロナウイルスの影響もありデジタル化が一層加速する現代、物流業界にも伝票電子化をはじめとした改革が早く浸透するといいですね。



【調査概要】
調査名:伝票処理に関する調査
対象者:工場・物流センター・配送センターで伝票を扱う業務をしている全国の20~60代男女
日時 :2020年11月13日(金)~2020月11月15日(日)
サンプル数:400名

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